ナナクセ探し 中学生編
手を繋いだまま座っていると、彼女が体をあずけてきた。
心臓が高鳴る。
「!!?、川野?」
何となくグッタリしている。
プールの後だから、熱でも出てたら大変だ。
顔を覗き込み、額に手をやる。
熱はない。
「は……眠ってるのか……。」
拍子抜けしてしまった。
全く、何て人だ。
こんな、無防備に男の前で眠りこけてしなうなんて。
夕方冷えるといけないと思い持ってきてた上着をそうっとかけてやる。
彼女の頭の重みが肩に心地良い。
つい、頭にひとつ口付ける。
何て無邪気な人だろうか。
人の気も知らないで。
知らず知らず、ため息がこぼれていた。
ポカポカと暖かくて、腹も膨れていて、気だるい午後ではあったが、俺は彼女のように眠気に誘われる事はなかった。
それどころか、無防備な彼女によしかかられて、煩悩に悩まされている。
抱き締めたい、触りたい、キスしたい。
いっその事、彼女をベンチに横たえ、手の届かない所に逃げだそうかと思った。