ナナクセ探し 中学生編
前田たちはご丁寧にも鍵まで掛けて、ルームキーを持っていってしまった。

部屋から出る事はできるが、もう一度鍵をかける事が出来ない。

これでは部屋からは、離れられなくなってしまった。

「ごめん。」

「あ……ううん。私の方こそ、何か困らせちゃったみたいでご免なさい。」

「……」

ああ、本当に困った。
さっき受け止めた彼女の柔らかさや、良い香りやら、淋しそうな声を聞いて慰めてやりたい感情やらがない交ぜになって、自分が抑えられなくなってしまいそうだった。

自分を拘束するかのように、なるべく小さくなろうとして膝を抱える。

そして、両腕をギュッと力強く抱き締める。

「村上君……?具合わるいの?」

彼女がこっちへと近寄ろうとする気配を感じる。

「来ないでくれ!」

思いの他、強い口調になってしまった。

彼女がたじろいでいるのが伝わる。

「悪い、近付かないでくれ。」

ああ、泣かせてしまうだろうか。
俺は彼女を大切にしたいだけなのに。
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