ナナクセ探し 中学生編
「悪い、話し聞こえた。
それにヒロミが、メールで一緒に帰った方が良いと思うって書いてきて。

増辺って、以前お前が川野の手首に歯形付けた時の、指の跡付けた奴だろう。」

「!!」

そんな話は初耳だったし、俺が歯形付けた事を知られているとも思ってなかった。


松木が気まずそうに言う。

「あー、あれだ。
ヒロミって、色々な事に良く気の付く娘でさ。

川野もヒロミに問い詰められて、隠し事出来ないんだとおもうよ。」

で、それをそのまま松木に喋っている訳か。
彼氏の俺が知らない事を松木が知っていたと思うと、腹立たしかった。


「あー、悪い。増辺の事は伝えておいた方が良かったな。
でも、川野が言わないものを、俺が勝手に言うのも何だかなと思って……。」

俺は頭を冷やそうと外靴に履き替え、外に出た。

彼女が来たらすぐわかる様に、玄関に一番近いベンチに腰掛ける。

松木も俺の隣に座り、携帯電話を取り出した。
篠田に待ってると連絡するのだろう。



2年の増辺って、どんな奴だろう。

彼女に何をしたのだろう。

悶々としながら待ってると、川野たちがやってきた。

「松木くん、待っててくれて有り難う。」

篠田のそんな声を聞きながら、俺は川野の手をつかんで歩き出した。

「あ、、、宏美、じゃ、又。」

そう言い、小走りで付いてくる。






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