君の隣で花が散る
出逢い
校庭の木々が寂しそう葉を散らす。



秋の乾いた風が吹いた。



私、水瀬杏花は窓の外をぼんやりと眺めていた。



朝の清々しい光が教室に差し込み、机や椅子のところどころを照らしている。

登校してくる私と同じ制服を着た人たちが楽しそうに笑いあっていた。



私はいわゆる "ふつうではない" 女子だ。

人の『死に際』が見えるのだ。

これは生まれつきで、小さい頃からこのことで苦労した。



私が幼稚園生の頃、幼稚園の先生が "死ぬ" 姿がはっきりと見えた。


私の見えてしまう『死に際』は "死ぬ" 時が今に近ければ近いほどはっきりと見える。


素直で無垢だった私は率直に「先生、もうすぐ死ぬの?」そう言ってしまった。

先生は慌てて「死なないよ? どうしたの?」といったけど、不思議に思ったことだろう。
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