君の隣で花が散る
「れお!」


爽やかなその顔は今日転入してきたれおそのものだった。

驚いて開いた口が閉まらない。


「お前の頭固すぎんだろ。石頭が」


うわっ。

やなやつ。


顔がこんなに綺麗でも言動がこうだと、ちょっとね。


というかこの転入生距離近くない?

物理的な距離じゃなくて心理的な距離が。


「うるさい。あんたの頭が硬いのよ」


「かしましいな」


なによー!

なにこの転入生。


そう思ってれおを見る。



あ、そういえばれおにはまったく『死に際』が見えないよね。

なんでだろ?



「今、俺になんで『死に際』が見えないんだろう? とか思っただろ?!」



え?

どうしてわかったの?


「口に出てた?」


「いや出てないけど」


「じゃなんで」


「顔に出てる」


え、嘘?!

私ってそんなわかりやすいかな?


頬に手を当てる。


「あほ。顔に文字なんかついてねーよ」


「だ、だれもそんなこともないもんねー!」
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