君の隣で花が散る
「なんなの。あんた」


「なんなのっていわれても......」


人の心の中もわかるし、『死に際』のことも知っているし......。


ん?

『死に際』?


「なんで、あんたが『死に際』のことわかるのーっ!?」



『死に際』に関しては、親にも言ったことないのに、なんでれおが知ってるの?


「ほんとに何者?」




「俺は死神だ」




「......はぁぁぁあ?!」


どういうこと?

れおは今、"し・に・が・み"って言ったよね?


私の頭の中には、黒いフードをすっぽりと被って、ものすごく大きな鎌をもったやつが思い浮かんだ。

でも、れおはそんな黒いフードなんか被っていないし、鎌も持っていない。


「れお、鎌は? あと、黒いフードも」


「やっぱりあほなのか」


うるさいっ!

死神の世界の話なんて、私が知るわけないでしょ。


「普通そんなにすぐ受け入れないけどな」


私にはすぐ近くに『死に際』という非日常的なものが存在するからね。


「黒いフードも鎌も昔の死神の衣装。
 今そんな姿したら怪しまれるだろ」


あ、それもそうか。


でも、本当に死神なのか?

まだ信じられない。
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