君の隣で花が散る
「その死神は存在を消されてしまったんだ」


「え?」


「お互いのためにも寿命は変えない方がいいんだよ」


そう言うれおは、どこか悲しそうに見えた。


「だから、俺は監視と保護をしに来たんだ」


監視と保護。

あれ、保護は?


「なんで、保護なの?」


保護って私を何かから守るってことだよね。

私に何か害を与える敵でもいるのかな。


「杏花、お前怨霊って知っているか?」


「知っているよ」


あれ。呼び捨て?

まあいっか、私もそうだし。


「人は死ぬときに未練を残す。

その未練が “憎み” から来る時、その魂は死神があの世へ連れて行くことができず、幽霊となって、それが続くと怨霊になるんだ」


“憎み” からくる未練か。

死んでまで “憎み” に縛られるのは苦しいと思うな。
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