君の隣で花が散る
「お前話聞いていてなかったのかよ」

「う、うん」


眠気が話を聞くことを凄い邪魔したの!

しょうがないじゃない。


「教えて、なに話してたの?」

「ったくわかったよ」


れおはこれまた大きなため息をつく。


「まず、文化祭のクラスの出し物はファッションショーになった」


ファッションショー?

あの、モデルさんとかがランウェイを歩くやつ?


「それでそのファッションショーには女装と男装も入れることになった」


男が女の格好をしたり、女が男の格好をするんだ?


「それで、そのランウェイを歩くメンバーの内の一人にお前が選ばれたんだ」


へぇ、私が......。


「えっ?! わたしが?」


「だ~か~ら、お前もランウェイを歩くんだよ」

「え~?!」


なにそれ。

そんなの私できないよ。


「お前は男装もやるからな」


え、男装も?

じゃあ普通の格好もやるの?

二回歩くってこと?


あー頭が混乱してきた。


「一応も俺も歩くことになった」


ボソッとれおが呟く。


「女装も?」

「......ああ」


れおが女装?


「見たい!超楽しみ」


すると、れおが小馬鹿にしたように笑った。


「単純だな、お前」

「うっ......」


相変わらずイラつく。


そうこうしているうちに授業のチャイムが鳴った。
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