君の隣で花が散る
「あほだろ」


そう言ってれおは私の隣に腰を下ろす。


「で、なにを悩んでたんだ?」

「ファッションショーどうしようーと思って」

「あーあれか」


れおは雲のひとつも見えない空を見て目を細める。


「私、自分に自信がないんだよね。
できるなんて思えない」


「じゃあ、俺が選んでやるよ」

「え?」

「だから、俺がお前の服を選んでやるよ」

「ホント?」


れおは私の目を見て頷いた。

意外と優しいとこもあるのかな。


「あ、れお。また私のこと馬鹿にしてない?」

「は?」

「だって、私には服を選ぶことですら出来ないとか思っているんでしょー?!」

「お前の思考回路が理解できない。
やっぱりあほか」

「はぁ~?!」


一瞬でも優しいなんて思った私が馬鹿だった。

いや馬鹿じゃない! 決して。


「じゃあ今度の日曜にショッピングモールに9時半な」

「は? なんで勝手に決めているのよ!」


この町にショッピングモールは一つしかないから別に迷わないけど.......。


「お前日曜、なにか用事ないよな」

「ないけど......」

「じゃあ決まりな」


そう言うとれおは、くるりと背を向け屋上のドアから出て行った。




なんなのよ......。


助けるつもりなの?

からかってるの?




もう本当になんなの......。
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