君の隣で花が散る
ついに来てしまった、日曜日。

ついに来てしまった、ショッピングモール。


「なんで来ちゃったんだろ......」


派手に装飾された文字が垂れ幕に堂々と書かれ、ショッピングモールの屋上から垂れ下がっている。

このショッピングモールは四階まであり、食料やら電化製品やら生活に必要なものは全て揃っているといっても過言じゃない。

建てられてから随分時が経っているらしいけど、あまり汚れが目立たず、どこもかしこもピカピカだった。


私の立っているショッピングモールの入り口から見える時計の針は九時半を示していた。



もうあいつはホントになんなのよ......。

何考えているのか分かんない。


今日だって、なんで私の服選ぶなんていいだしたし......。

人に言えるほどのセンスあるの......?


「杏花」

「うわっ」


びっくりした。


「なんだ、れおか」

「なんだってなんだ」


いつの間にか後ろに立っていたれおに気づかなかった私は、心底驚いた。


「いつからいたの」

「さっき」

「さっきっていつよ......もう.......」


胸に手のひらを乗せ、冷静さを取り戻す。


「行くか」

「え、ちょっと待って」

「行かないのか」

「行くけど......」

「じゃあ早く行くぞ」


そう言ってれおはショッピングモールの中に入っていった。

自動ドアが開く。


「だから待ってよー」


私も慌ててれおの後を追って、ショッピングモールの中へ入っていった。
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