君の隣で花が散る
日曜日だからか、ショッピングモールの中はいつも以上に人で賑わっていた。


ショッピングモールの中は商店街をギュっとひとつの建物に詰め込んだような、そんな感じだった。

つまりいろいろな店がところせましと並んでいた。


「どこに向かっているの」


少し前を歩くれおの背中にそんな疑問をぶつける。


よく見てみるとれおの今日の格好はセンスが良いとしか良いようがなかった。

黒い無地のTシャツ暗い緑の少しだぼっとしたジャケットを羽織っている。ズボンは黒のスキニーパンツで、れおの憎たらしいくらい長い足がさらに長く見える。


「洋服屋に決まっているだろ」

「そりゃそうだけど......」


洋服屋って別にショッピングモールにひとつだけとは決まっていないよ?

どこにあるなんていう洋服屋かが知りたいんだけど......


「おい着いたぞ」


れおがふと足を止めた。

れおが立ち止まった先には、赤と白でデザインされたロゴがオシャレな店があった。


「ここレディースとメンズ両方あるから楽だろ」

「なんであんたがそんなこと知っているのよ」

「あたりまえだ。優秀な死神ってものはこの世界のこともきちんと調べておくもんなんだよ」


れおが胸を張る。


「そういうもんかなー・・・?」

「そういうもんだ」


私たちはその店に入っていった。
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