君の隣で花が散る
「じゃあ、俺これにする」


れおがメニューを指差して言う。


「ざるそば......?」


死神も和食好きなのかな。


「お前もこの店で買うのか」

「ううん。今日は麺にはしない」

「わかった。先に買って席取っとくぞ」

「ありがと」


なんであんなに早く決まるんだろう。

その即決力すこしわけて欲しいよ。


「よし」


直感で行こうっ!



「チーズバーガー!」



なんでチーズバーガーかって言われたら困るけど、なんとなく頭に浮かんだんだよね。



「すみません、チーズバーガーをひとつ」

「かしこまりました。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

「はい」

「お客様の合計250円になります」


店員独特のしゃべり方を聞きながら財布をあけ、百円玉を二枚と五十円玉を一枚出す。


「ちょうどになります。こちらレシートです。
 少々お待ちください」


店員からレシートをもらい、次のお客さんの邪魔にならないように少し横にずれる。


「大変長らくお待たせいたしました。
 こちらチーズバーガーですね。ありがとうございました。
 またのお越しをお待ちしております」


マニュアル通りに礼をする店員からチーズバーガーを受け取って、私はそのお店に背を向けた。


フードコートを見渡すと、案外簡単にれおを見つけることができた。


トレーを持ってれおのところへいき、れおの向かいに座る。
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