君の隣で花が散る
もしかしたら私もあの中にいたのかもしれない。

昔はああやって友達がいて笑えるのが羨ましかった。

だけど、もう慣れすぎて一緒に騒ぎたいなんて思わなくなってしまった。


「はーいみんな座れーHR始めるぞー」


「はーーい」


担任の男の人の一声でみんなが一斉に席に着き始める。


「今日は紹介したい人がいる」


ざわめきが波紋のように広がる。


「二学期の始業式には間に合わなかったが仲良くしてやってくれ」


先生が教室のドアのあたりに目をやる。


「入ってこい」


がたりと少し古ぼけた教室のドアが開く。

誰もが固唾を飲んで手に汗を握る。


軽く頭を下げ教室に入って来た姿に私は目を見開いた。
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