君の隣で花が散る
教室の隅の方で先程の女生徒を囲んで数名の女子たちが固まっていた。

れおのことだろう。

イケメンは辛いねぇ。


「どこ見てんだお前」


私が、イケメンならではの苦労をねぎっていたところにれおの声が飛んできた。


れおは女生徒の置いたメニューに目を通していた。


なにを食べようかな。

ここはあまり重いのは食べなくないな。

軽いものがいい。

うーん、ケーキとかそんな感じのものがいいのかもしれない。


そのあと、れおが私にメニューを渡してくれた。

私達は、メイドの格好をした先程とは別の女生徒に注文した。

れおはミニオムライス、私は迷いに迷った末、ティラミスにした。

ミルフィーユと迷ったんだけど、ミルフィーユはちょっと違うかなって(別に深い意味はないんだけどね)思ったから。


頼んだものが来るまで、私達はなにも話さなかった。

沢山の視線が集まりすぎて、いつもの馬鹿な会話ができるような雰囲気ではなかったのが一番の理由だ。

今では、れおという美男子を一目見たいと廊下から見る人たちもいた。
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