君の隣で花が散る
ティラミスはまずくはなかった。

普通に美味しかった。


私達が食べている間も視線は刺さり続けていた。

れおが何か1つ動作をするだけで教室と廊下がザワっと騒ぎ出す。

やっぱりイケメンってすごい。


でも、みんな騙されているよ見た目に!


れおは本当に意地悪なんだからね!

気をつけなさいよー!

と、心の中で叫んで見ても届くわけでもなく私達が教室の前の廊下からいなくなる最後までザワつきは止まなかった。



〜・〜・〜・〜



「みんな、準備はいい?」


いつもクラスの中心にいる、大人っぽい洋服を着ている女子がクラスみんなに聞いた。


「いえーい!」


最初っから決まっていたように、みんなは口を揃えて言った。


ここは体育館の舞台裾、もうすぐ私達のクラスの出し物、ファッションショーが始まろうとしていた。


照明は落ちて、ピンポイントにモデルだけが照らされる仕組みとなっている。


パチパチパチパチパチパチパチパチ


前の出し物に対する拍手が舞台裾まで伝わる。


私もれおも今はショッピングモールで買った洋服を着ている。

最初は普通の服、そのあとに女装や男装らしい。
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