君の隣で花が散る
薄く目をあける。

幾粒の光の粒が瞳に飛び込んできた。


「......んっ」


真っ先に見えてきたのは天井と蛍光灯だった。

見慣れないこの部屋をもっと見ようと思って体を起こす。


「あ、起きたか」


どこからか発せられたその声に私は聞き覚えがあった。


「れお」


周りを見渡してみると、私はたくさんの人に囲まれていた。


私がいるベッドの横にはれおの他にも、クラスの女子たち、男子も数名いた。

ここは保健室みたいだ。


「大丈夫? 水瀬さん」

「急に倒れて......」


女子たちの心配そうな声が私に降り注ぐ。


「だ、大丈夫」


沢山の視線の中心にいるという不慣れな状況に少し怯えながら自らの無
事を伝える。


「良かった」


安堵の表情が私の周りに広がる。


「あの、ファッションショーは......?」


せっかくみんなが頑張ったファッションショーが私のせいで台無しになってしまったのかな......。

それだったら悪いことしたな......。
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