君の隣で花が散る
保健室に沈黙が訪れる。


気まずい。

ものすごく気まずい。

二人でいることなんて屋上で慣れているはずなのに、なぜかすごく気まずい。


なにかしゃべればいいのかな?


「あ、あのさ」

「ん?」


とりあえず声をかけてみる。

脳をフル回転させてれおに聞きたいことを探しだして、話を続ける。


「ファッションショーの時、私の足をつかんだのって悪霊?」

「ああ」

「やっぱり」


普通の人間がやることじゃなもんね。


「お前気づいていたか?」

「なにを?」

「悪霊だよ」

「へ?」


れおがため息をつく。


「今日一日中悪霊がついてきてたぞ」


「......え?」



ええっ?!

いたの? 悪霊。


「全然気づかなかった」

「だと思った」


それって近くにずっと恐怖に脅かされていたってこと??


怖っ!

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