君の隣で花が散る
やや肌寒くなって腕をさする。



放課後、私はいつものように屋上で過ごしていた。


高校に入ってやっと見つけた一人になれる場所。

放課後はみんな部活やらクラブやら同好会やらで忙しいらしく、屋上には絶対に人が来ない。


家に帰る学生たちで混む帰宅路は『死に際』が見えそうで怖いため、大体帰宅時間を遅らす。

だから、私は屋上で時間を潰している。



空が高く見える秋の日。



「うーーん」



私は屋上のフェンスの近くで大きく伸びをして、大の字で寝そべる。

ここは校庭や校門、校舎からは視覚になっており凄い自由にリラックスできる。



「おい」


ん?

なんか聞こえたような気がする。

男の人の声。

気のせいだよ。
屋上に男の人なんてくるわけないもの。


「おい」
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