黒猫の香音(前編)
「忘年会シーズンなんじゃないですか?
私にとっては良い迷惑ですけど。」
香音が珍しく敬語で話すこの知人は『黒地雫(くろちしずく)』という関め〇みに似た水谷の昔からの旧友だ。
その美貌から初対面で『馨時代』の時に会った際、警戒心が強過ぎて(というより妬きもちに近い)取っ付きにくかったのだが話してみると案外良い人である事に気付き、『香音』になった今でも自分から雫に色々相談を持ち掛けたりする程になった。
居住地が遠方で滅多に会う事は無いが、その外見と内面の美しさから香音だけではなく顔見知りの瑠華まで『姐さん』と呼んで慕っている。
当の本人はそう呼ばれるのをあまり好ましくは思っていない様だが…
「アハハッ、店長がそんな事言っちゃ駄目でしょ?
それだけ繁盛してるって事よ、稼ぎ時じゃない、もう少し嬉しそうな顔しなさいよ。」
私にとっては良い迷惑ですけど。」
香音が珍しく敬語で話すこの知人は『黒地雫(くろちしずく)』という関め〇みに似た水谷の昔からの旧友だ。
その美貌から初対面で『馨時代』の時に会った際、警戒心が強過ぎて(というより妬きもちに近い)取っ付きにくかったのだが話してみると案外良い人である事に気付き、『香音』になった今でも自分から雫に色々相談を持ち掛けたりする程になった。
居住地が遠方で滅多に会う事は無いが、その外見と内面の美しさから香音だけではなく顔見知りの瑠華まで『姐さん』と呼んで慕っている。
当の本人はそう呼ばれるのをあまり好ましくは思っていない様だが…
「アハハッ、店長がそんな事言っちゃ駄目でしょ?
それだけ繁盛してるって事よ、稼ぎ時じゃない、もう少し嬉しそうな顔しなさいよ。」