犬系男子に振り回されてます…
全く、少しは女の子の気持ちを察しないさいよね…。
さり気なくレディーファーストとか出来るクセに、たまに空気が読めないところがあるから、本当困っちゃうわ。
「お決まりでしょうか?」
注文を聞きに来る店員さんに、まだメニューが決まってない私は焦る焦る。
とにかく急いで、右左右左と目を泳がした。
「すいません。水1杯もらっても大丈夫っすか?」
「かしこまりました。今お水持ってきますね」
空になったコップを店員さんに差し出す成宮。
も…もしかして、メニューが決まってない私に融通利かせて誤魔化してくれた…?
メニューの隙間から目が合うと、歯を見せながらニッと無邪気に笑う成宮。
私は慌てて視線を逸らす。
だ、だから……!
こういうのが調子狂わされるんだってば…。