犬系男子に振り回されてます…
「成宮、アンタ…いい加減にしなさいよ」
「分かったから、そんな怖い顔しないで?」
誰がこんな表情にさせたのよ…ったく。
意外と成宮も頑固なところがあるんだから。
…って!!なんで成宮の顔が、どんどん迫ってくるのよ!?
息がかかりそうなほどの距離の近さに、思わず伏し目になる私。
「ちょ…成宮!話が違うじゃない…っ」
「分かったとは言ったけど、教えるとは一言も言ってないよ」
「な…、」
どこまでも頑固で難攻不落なんだから…!!
全然分かってないじゃないの…。
「…っ!?」
突然、唇に触れる成宮の長くて細い指。
当てられたかと思えば、優雅に動かしてくるのだ。