犬系男子に振り回されてます…
…とは言ったものの。
実行委員であるからには、成宮と離れたくても離れらんないのよね…これが。
「天音さん、ポスター出来た?」
「あと少しで色塗り終わるから、成宮は先に帰ってていいわよ。」
放課後。下校時間ギリギリまで、教室で成宮と二人きり居残り。
文化祭のポスターの提出の締切が今日までで、なんとしてでも今日中に仕上げなくちゃいけないのだ。
「待ってるよ」
「私1人でも出来るから」
ポスターから視線を、一切変えないまま返事をする。
今の言い方は少しキツかったかな?
なんて、心の中で思っていると。
「分かった。じゃーね」
机に広げていたシャーペンと消しゴムをペンケースに入れ、すんなりと帰る素振りを見せる。