犬系男子に振り回されてます…





逃げ込められたのはいいけど、これからどうしよう。



今トイレから出るのは危険だし…



でも帰らないとお母さん心配するし。



「あ、携帯…」



鞄に入れていた携帯が震えて、携帯の存在にようやく気づく。



余裕が無い時ってダメだ。



普通に思い出すことでも不思議と忘れてしまう。



良かった。まだバッテリー25%残ってる。



とりあえず、お母さんに…



発信ボタンを指で押してから、耳に当てたスマホを汗ばんだ手で握りしめる。



お願い…出て!!



でも、なかなか繋がらない携帯電話。



もしかしたら、お風呂を洗っていて携帯が鳴っていることに気づいていないのかもしれない。



お母さんのことだから、よくあるパターンだ。



なんて、冷静に納得してる場合じゃなくて!!



今、娘が緊急事態だから気づいてー…。


< 166 / 344 >

この作品をシェア

pagetop