犬系男子に振り回されてます…





「…なに。てかやっぱり、かけてきたの天音さんなんだ?」

「うん…急にごめん…」

「今寝起きだからテンション低いかも」

「ごめん…寝てるところ起こして…」

「いや別に。さっきから天音さん、ごめんしか言ってないじゃん。電話したのって、それが目的じゃないでしょ?」



寝起きだからと思っていいのか、よく分からない成宮の素っ気ない声。



“今から公園まで助けに来て欲しい”



なんて簡単には切り出せない…。



『不審者らしき人に追われてるんだ私』なんて言ったら信じるかな?



冗談だと思って、電話切られたりしないかな…。



「…何か言ったら」

「あのね、成宮。今から話すことは、けして冗談だと思わないで聞いて欲しいんだけど…」

「ん、なに」



もう、どうにでもなれ…。



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