犬系男子に振り回されてます…
「っていうのは冗談だけど」
「成宮アンタね……」
優しいんだか優しくないんだか、分からないわ。
「出てきても大丈夫だよ。怪しい男うろうろしてたけど、諦めたのか見た感じ今居ないし」
鍵を解除してから、恐る恐るドアを開けた。
そして、パーカーのフードを頭に被る成宮と目が合う。
「アンタも不審者みたい」
「だって夜寒いから」
「はいはい。わざわざ助けに来てくれて、ありがとうございます」
「なんか心こもってない…」
だって、どんな感じで成宮と話せばいいのか分からないんだもん。