犬系男子に振り回されてます…
お兄ちゃんの潤んでいる目を見て、私は胸がズキンと傷んだ。
本当に心配をかけてしまったんだと……。
申し訳ない気持ちと情けない気持ちで、いっぱいになる。
「学校は鍵締められてて入れないから、明日探そうって朝イチで来てやったんだからな」
「…でも倉庫って、よく分かったね?」
まさか倉庫に閉じ込められて、出られないでいるなんて。
普通なら誰も気づかないはずだ。
ここに用が無い限り絶対。
それなのに、お兄ちゃんだけは見つけてくれた。