犬系男子に振り回されてます…






ハッ!



つい昔を思い出してた…。



何も言わない私を成宮は何も聞かず、真剣な眼差しで見ていた。



さっきとは全然違う表情してる。



「ごめん。なんか…シリアスな空気になっちゃったね!」

「俺の方こそごめん。天音さんのこと知りたかったんだ」

「知りたいって…何も面白いことないよ?」

「うん。それでも知りたい」



変な奴。



「失った時の辛さをもうしたくないの」



後悔した。



大切な存在に執着しすぎちゃダメだって。



独りで居た方が楽だって。



「だからそうやって1人で居るつもり?」

「そうよ。」

「なんか違くない。確かに失った時の辛さって辛いよ?でもそれは誰にでも絶対に失うことはあるよね」

「え?」

「大切なものを失うのは誰にだって、避けれないことだと思うけど」



誰にでも……?



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