犬系男子に振り回されてます…







「そうだ。天音さんは何がいい?」

「私?」

「うん。一応、実行委員も出ないとだから」



さっきまで皆の方を見ていた成宮が、いつの間にか私の方を見ていた。



私かぁ……



役割が書かれた紙をじっと見つめる。



脇役だったら、何でもいいや。



「魔女。魔女でいいや私は。」

「プッ…」


必死に手で笑いを堪えようとしてるんだろうけど…


こっちはバレバレだからね!?



「はぁー!?何で笑ってるのよ…そこ笑うとこじゃないでしょ!」

「いや、ごめん…なんか天音さんらしいなって」



まだ笑ってるわ…此奴は…。



何なの…何が面白い訳?



ただやりたい役を言っただけなのにっ。



「って事で、それぞれの役割の台詞を覚えて練習頑張ろうぜ!文化祭」

「「おー!」」



私の時と違って、いきなり団結してるし!



本当何者なの、成宮って。



未だに分からないんだけど…。



「頑張ろうね。魔女の天音さん」



くるっと向いては…耳元に囁かれる。



「…っ、うるさい!」



近くで、いちいち言われなくても分かってるから…!



余裕だからって、調子に乗ってるんじゃないわよ…。


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