犬系男子に振り回されてます…





「ていうか、こんなとこで何してんの?帰れば?」



とっくに提出終わってるのに成宮は何してるんだ。



職員室の前で入る気配無いし、一緒に隣歩いてくる。



「天音さんのこと待ってた。」

「え?私?なんで…」



隣を見ても、ちょうど髪に隠れて顔が見えない。



今…どんな顔して言ってんのよ。



「こんな遅くに女の子が帰るなんて危ないから。」

「だから忘れたの?私は大丈夫だって言ったでしょ。」

「それに……」

「それに?何かあるの?」



少しの間が置かれて、



「一緒に帰りたかったから…」

「な、」



足音だけがする廊下で、成宮はボソッと呟いた。



耳を真っ赤にして言うから、こっちだって照れるってば…。



どんな反応すればいいのか、全然分かんないしー…。



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