犬系男子に振り回されてます…
助けてくれるなんて、全然思ってもみなかった。
だけど…いつだって必ず、ピンチな時に限って助けてるくれるから…
調子狂うんだ…。
「助けて良かったー!逆に俺がラッキーじゃん、へへ」
目をクシャっとさせて笑う成宮に、私は不思議だった。
「何が…?」
「天音さんに礼してもらえるとか得じゃん?」
「は…、馬鹿じゃないの」
「うん。馬鹿だよ」
貶してるのに、ニヤけたまんま。
本当、此奴は馬鹿だ…。
「もうここでいいから」
家から数メートル先の道路で、歩いてた足を止める。
「そ?じゃー、気をつけて帰るんだぞ」
「子供扱いしないでよ」
「はいはい。じゃーね」
後ろ向きのまま手を挙げる成宮。
わざわざ送ってくれなくたって…いいのに。