上司な同期は激甘サンタ
やっぱり格好いいなぁ。けっして人目を引くわけじゃないのに、見つめてしまうのは恋の欲目だろうか。

「ごめん。またせちゃったね。」

急いで席に着く私に優しい目で答える。

「大丈夫。メールももらってたしね。それより、江藤こそ大丈夫だった?」

「正直大変、かな。こんな急に引き継ぎすると思ってなかったから、なんの準備もしてなくて。」

弱って苦笑を浮かべる私に申し訳なさそうな顔をして、それでも目線をそらさずに木崎君は真っ直ぐ私を見る。

「ホントにごめん。でも今回の移動は必要なんだ。俺はどうしても、江藤に来て欲しい」


視線も言葉も真っ直ぐ過ぎて、まるで木崎君が私自身を欲しがっていると勘違いしてしまいそうだ。


「うん‥‥ありがと。でも私はそんな優秀でもないし、特別な資格や能力があるわけじゃないよ?」

赤くなっているだろう顔を隠すために、少しうつむきながら上目遣いで訊ねる。
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