上司な同期は激甘サンタ
「辞める人もさ、希望して辞めるんじゃなくて、ちょっと訳ありなんだよ。で、更に辞める事を知られたくない人もいる。
江藤にはその人からひっそり引き継ぎして、同時に俺にちょっとした協力もして欲しいんだ。
江藤ならさ、やってくれると思ったから。」


ズルい‥‥と思う。そんな真っ直ぐに見つめて頼られたら、うんと頷くしか出来ない。たとえ木崎を好きじゃなくても。

真摯な態度も熱心な口調も思わずイエスといってしまいたくなる。


「分かったよ。移動の撤回も出来ないんだし、腹くくって木崎君の手伝いする。
私に出来るかは自信ないけど、やらないで逃げるのもイヤだしね」



ひとつ大きく息をついて言い切ったら、木崎君はぱあっと笑顔を見せた。

「ありがとう!江藤ならそう言ってくれると思ってた。
部長からは他の人の名前も出たんだけど、俺がどうしても江藤に頼みたいって言ったんだ。江藤とならやれる自信あるって。」

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