上司な同期は激甘サンタ
恋人たちのための席って感じで照れてしまう。

向かい側に座った木崎君も少し照れて困ったような表情だ。

「このお店、よく来るの?」

赤くなった顔を誤魔化すように、たずねた。声、いつも通りに出せてる?ドクドクと鳴る鼓動が大きくて、よく分からない。

「うん。1人でゆっくり食事したい時とかね。奥さんやマスターの人柄なのか、ここに来ると落ち着くんだ。
もちろん、ご飯も美味しいし。」


あぁ、もうっ!いつも1人で来る店に連れて来るとか、それ期待しない方がオカシイでしょ!しかもさっき、木崎君も奥さんに彼女って言われて否定しなかったし。


期待しちゃダメだと思うのに、どんどん都合の良いように考えてしまう。


ちらっと前の木崎君を見ると機嫌よくメニューを見ている。

「江藤、クリームコロッケ好きでしょ?ここ美味しいから食べてみなよ。グラタンもオムライスもオススメだよ。」
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