上司な同期は激甘サンタ
4.
バタバタと引き継ぎを済ませ、人事に移動した私に、

「短期決戦になったから。忙しくなるけど、ごめんな。」

と木崎君は声をかけてくれた。私が移動してくる間にも何か進展があったみたいだ。


今日から木崎君じゃなくて、木崎課長。直属の上司になるんだから気を付けよう。


私の席は山口さんという先輩女子職員の隣。ってことは彼女が辞めるんだろうか。
表面的にはベテランになって抱える仕事の多くなった山口さんをサポートしつつ、仕事を分けてもらう事になっている。


実際の彼女が抱えている仕事の種類はそんなに多くはない。ただ、各種手当に関係しているので、間違いが許されないし気を使う仕事だ。

通常、こういった類いの仕事はミスを防ぐ意味合いでも複数人で管理するべきものだ。それをほとんど彼女1人でやっているのは不思議だと思う。


移動して3日。他に人がいない事を確認した自販機の前で、感じた疑問を木崎君にぶつけた。


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