上司な同期は激甘サンタ
「そんな事ないわよ。課長はちゃんと江藤さんの事を分かってる。
江藤さんも課長のこと、信じてるんでしょ?」

なんだか含みのある言い方に、どう返していいのか分からない。
益々赤くなっているだろう顔で山口さんを見かえすと、やっぱり楽しそうにフフッと微笑んでいる。

「自分が恋愛してないと、心に余裕があるからかしら。誰かが誰かを好きな気持ちに敏感に気付けるようになるの。」


その言い方は、私の「好き」の気持ちに気付いてるって事ですよね‥‥恥ずかしい。
一緒にいて1週間ぽっちで気持ちに気付かれるって女子高生みたいだ。


もう耳まで真っ赤だろう。顔が暑い。

「私も最初はちゃんと好き、だったのにね。自分でも馬鹿だったなって思ってるの。」


突然、辛そうに吐き出された言葉に驚いた。
さっきまで楽しげに私の恋愛について話してたはずなのに‥‥。

目の前の彼女は泣きそうに見えた。
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