花京院社長と私のナイショな関係
…社長の機嫌がいい。
洗面台の鏡に映る私の顔は真っ赤だ。
バスローブの隙間から、鎖骨の下や胸元には赤い印が散っているのが見える。
私はこんなことになって戸惑っているんだけど、社長は気にならないんだろうか。
さっきのなんか、おはようのキスみたいだったし…いや、補給か。疲労回復の補給。
そうだね、補給。昨夜も補給。
おかげで腰や体の一部がちょっと痛くはあるけど、昨日のような寒気や倦怠感は全然ない。すっきりして体調がすごく良くなっていた。
浴室に入ると、棚の上に下着と服が置いてあった。
私が着ていた物ではない。まさか元カノのとか言わないよね…と戸惑っているとドアがノックされた。
「まどか。そこにある服と下着、使って」
「あのう…私の服なんかはどこに」
「服はランドリーサービスに出してる。下着は袋に入れて別にしてるよ。そこにある物は女性コンシェルジュに用意してもらった」
「え、用意って…買ったんですか!?」
「気に入らないなら別のを用意させるよ」
「いや、そういう訳じゃなくて、わざわざそんな…」
「じゃあ、ドロドロに濡れた下着を付けるか下着なしでバスローブ羽織って過ごす?」
俺的にはそっちの方がいいけど、と言われてしまい反論できなかった。
コンシェルジュとかランドリーサービスとか聞きなれない単語の人たちにどう頼んだのか知らないけど、社長は恥ずかしくないんだろうか。
下着と一緒に女性用のトラベルセットまで添えてあって、これっていかにも急に女性が泊まってそういうことになりました!って言ってるようなものでしょ。
他人に女性用の下着の用意とか服の洗濯とかされてるっていたたまれないし、庶民には使えないサービスだわ。
かと言って裸のままで過ごすわけにもいかないし……仕方なくシャワーの後はそれらをお借りした。
淡いピンクのレースの上下とキャミソールの下着は、生地やレースは清純だけどデザインが色っぽい。
サイズがぴったりなのは考えないことにする。うん。残念なサイズを知られたとか考えたくない。
服は白いフェザーニットに、茶色地に花柄の入った服。可愛い。よかった、シルクの胸元が開いたドレスワンピとかじゃなくて。
後でお代を払おう。…分割でいいかな。っていうか分割じゃないと無理っす。
リビングに戻ると、ダイニングテーブルでおっさんが食事を摂っていた。
レストランのデリバリーサービスだそう。美味しそうなデザートまで付いていた。
朝ごはん食べてないしお腹空いた。もうお昼だし。「じゃあそろそろ」失礼します、と言おうとしたら社長にランチに行こうと誘われた。
「俺はもう先に食べとるし、お前らだけで行ってこい」
おっさんはとろとろ卵のオムライスを美味しそうに頬張りながら、追い払うように手をひらひらさせた。
「え、でも」
「篤人はワシが一緒やないとそこいら辺のカフェにも入れんのや。負の気、持ったやつがすーぐ近寄ってくるやさかいゆっくりできひん。お前が一緒ならそんなことも気にせんと外食できるやろ」
それにワシと一緒で飯食う時は個室しかあかんしな、と笑った。
そうか。社長は完全個室じゃないとゆっくり外食もできないんだ。
社長は申し訳なさそうに苦笑して「そういう訳だから付き合ってもらってもいい?」とお願いされてしまった。
「どこ行きます?お腹空いたから早くいきましょう」
そう言うと、社長は「どこにするか迷うって、いいな」と嬉しそうに笑った。
洗面台の鏡に映る私の顔は真っ赤だ。
バスローブの隙間から、鎖骨の下や胸元には赤い印が散っているのが見える。
私はこんなことになって戸惑っているんだけど、社長は気にならないんだろうか。
さっきのなんか、おはようのキスみたいだったし…いや、補給か。疲労回復の補給。
そうだね、補給。昨夜も補給。
おかげで腰や体の一部がちょっと痛くはあるけど、昨日のような寒気や倦怠感は全然ない。すっきりして体調がすごく良くなっていた。
浴室に入ると、棚の上に下着と服が置いてあった。
私が着ていた物ではない。まさか元カノのとか言わないよね…と戸惑っているとドアがノックされた。
「まどか。そこにある服と下着、使って」
「あのう…私の服なんかはどこに」
「服はランドリーサービスに出してる。下着は袋に入れて別にしてるよ。そこにある物は女性コンシェルジュに用意してもらった」
「え、用意って…買ったんですか!?」
「気に入らないなら別のを用意させるよ」
「いや、そういう訳じゃなくて、わざわざそんな…」
「じゃあ、ドロドロに濡れた下着を付けるか下着なしでバスローブ羽織って過ごす?」
俺的にはそっちの方がいいけど、と言われてしまい反論できなかった。
コンシェルジュとかランドリーサービスとか聞きなれない単語の人たちにどう頼んだのか知らないけど、社長は恥ずかしくないんだろうか。
下着と一緒に女性用のトラベルセットまで添えてあって、これっていかにも急に女性が泊まってそういうことになりました!って言ってるようなものでしょ。
他人に女性用の下着の用意とか服の洗濯とかされてるっていたたまれないし、庶民には使えないサービスだわ。
かと言って裸のままで過ごすわけにもいかないし……仕方なくシャワーの後はそれらをお借りした。
淡いピンクのレースの上下とキャミソールの下着は、生地やレースは清純だけどデザインが色っぽい。
サイズがぴったりなのは考えないことにする。うん。残念なサイズを知られたとか考えたくない。
服は白いフェザーニットに、茶色地に花柄の入った服。可愛い。よかった、シルクの胸元が開いたドレスワンピとかじゃなくて。
後でお代を払おう。…分割でいいかな。っていうか分割じゃないと無理っす。
リビングに戻ると、ダイニングテーブルでおっさんが食事を摂っていた。
レストランのデリバリーサービスだそう。美味しそうなデザートまで付いていた。
朝ごはん食べてないしお腹空いた。もうお昼だし。「じゃあそろそろ」失礼します、と言おうとしたら社長にランチに行こうと誘われた。
「俺はもう先に食べとるし、お前らだけで行ってこい」
おっさんはとろとろ卵のオムライスを美味しそうに頬張りながら、追い払うように手をひらひらさせた。
「え、でも」
「篤人はワシが一緒やないとそこいら辺のカフェにも入れんのや。負の気、持ったやつがすーぐ近寄ってくるやさかいゆっくりできひん。お前が一緒ならそんなことも気にせんと外食できるやろ」
それにワシと一緒で飯食う時は個室しかあかんしな、と笑った。
そうか。社長は完全個室じゃないとゆっくり外食もできないんだ。
社長は申し訳なさそうに苦笑して「そういう訳だから付き合ってもらってもいい?」とお願いされてしまった。
「どこ行きます?お腹空いたから早くいきましょう」
そう言うと、社長は「どこにするか迷うって、いいな」と嬉しそうに笑った。