花京院社長と私のナイショな関係
部屋を出てエレベーターで降りていくと、レストランやカフェやショップがたくさんあって、どっかで見たことがあると思ったら、東京の新ランドマークと呼ばれているところだった。
マンションの上階は5つ星ホテル。マンションもホテル同様のサービスが受けられるのが売りだそう。セレブすぎて眩暈がする。コンシェルジュにパンツ買ってこいくらい言える人じゃないとここには住めないわ。
ランチをどこの店にしようかフロアの案内板を眺めながら、どうしても右手に意識がいってしまう。
部屋を出てからずっと手をつないでいるのだ。
何も言わず、当然みたいに手を恋人繋ぎするもんだから、離すこともできない。
「あの、社長」
「その呼び方やめようよ。休日なのに仕事してるみたいだ」
そんなこと言われても社長は社長だし。年上だし。困っていると社長は名前で呼べと言い出した。
「篤人って呼んで」
「え、それはちょっと…」
少ない選択肢の中から考えて妥協案を出す。
「じゃあ花京院さんはどうですか?」
「長すぎるだろそれは」
あっさり却下。まあ確かに呼びにくい名前だけど。
結局、篤人さんと名前呼びすることで納得してもらった。名前呼びとか照れる。
「あ、篤人さん」とつっかえながら呼ぶと「なに?」ととろけるような笑みで返されて鼻血が出そうになった。
なに?ってこっちが言いたいわ!何なのその笑顔!可愛い!!
社長は柔和な雰囲気な人だけど、日頃はあんまり表情がなくて笑顔を振りまくタイプではないから、このギャップはかなりヤバい。
「えっと、あの、手。いつまで繋いでるんですか?」
「困ることある?」
「…緊張して手に汗が」
うわーこの女、手が湿ってるとか滑ってるとか思われそうで嫌なんです。とぼそぼそ言うと笑われた。
「気にするとこそこ?」
「女子としてはこういうのが恥ずかしいんです!」
「だって今更だろ。まどかの汗なんて味も知ってる」
にや、と昨夜のことを匂わすようなことを言われて顔が熱くなった。そしたら「まどかは可愛いな」と追い打ちを掛けられて余計に顔が赤くなった。
マンションの上階は5つ星ホテル。マンションもホテル同様のサービスが受けられるのが売りだそう。セレブすぎて眩暈がする。コンシェルジュにパンツ買ってこいくらい言える人じゃないとここには住めないわ。
ランチをどこの店にしようかフロアの案内板を眺めながら、どうしても右手に意識がいってしまう。
部屋を出てからずっと手をつないでいるのだ。
何も言わず、当然みたいに手を恋人繋ぎするもんだから、離すこともできない。
「あの、社長」
「その呼び方やめようよ。休日なのに仕事してるみたいだ」
そんなこと言われても社長は社長だし。年上だし。困っていると社長は名前で呼べと言い出した。
「篤人って呼んで」
「え、それはちょっと…」
少ない選択肢の中から考えて妥協案を出す。
「じゃあ花京院さんはどうですか?」
「長すぎるだろそれは」
あっさり却下。まあ確かに呼びにくい名前だけど。
結局、篤人さんと名前呼びすることで納得してもらった。名前呼びとか照れる。
「あ、篤人さん」とつっかえながら呼ぶと「なに?」ととろけるような笑みで返されて鼻血が出そうになった。
なに?ってこっちが言いたいわ!何なのその笑顔!可愛い!!
社長は柔和な雰囲気な人だけど、日頃はあんまり表情がなくて笑顔を振りまくタイプではないから、このギャップはかなりヤバい。
「えっと、あの、手。いつまで繋いでるんですか?」
「困ることある?」
「…緊張して手に汗が」
うわーこの女、手が湿ってるとか滑ってるとか思われそうで嫌なんです。とぼそぼそ言うと笑われた。
「気にするとこそこ?」
「女子としてはこういうのが恥ずかしいんです!」
「だって今更だろ。まどかの汗なんて味も知ってる」
にや、と昨夜のことを匂わすようなことを言われて顔が熱くなった。そしたら「まどかは可愛いな」と追い打ちを掛けられて余計に顔が赤くなった。