花京院社長と私のナイショな関係
なのに、社長はぜんぜん分かっていない。
親密な週末を過ごしたせいか、遠慮がなくなってしまったのか、やたら接触を図ってくる。
浄化作業の後、前はスイーツや食事の臨時手当だったのが、それプラス、社長室でキスや非常階段でハグになった。
「社長!」
「補給補給」
全然、悪びれていない。
それどころか上機嫌で困る。
「社長、最近、笑うようになったわよね。笑顔すてき~」
「笑うと、ちょっと少年みたいじゃない?可愛い!」
仕事にはクールで容赦がないと言われている社長の笑顔はレアだったらしく、そのギャップに萌える女子社員が続出。
ちょっと近寄りがたい雰囲気が和らいでますます人気が上がっている。
「社長、お元気そうで良かったわ。最近、体調がいいっておっしゃって」
社長室にお茶を出しに行った秘書室の美人先輩・雪乃さんが同僚の秘書さんと話していた。
「最近始めた運動がとてもいいのですって。つい夢中になってやりすぎるから怒られるんだっておっしゃってたわ」
「へえ。何のスポーツですか?」
「それが秘密だって言って教えてくださらないのよ。ワンツーマンで綿密にするんですって」
「もしかしてCMで話題の例のジムですか?」
「私もそう思ったのだけど、違うんですって。まどかちゃんは何だと思う?」
ぎく。その話題には触れたくないので話かけないで欲しい…。
「さ、さあ?」
社長おおおおおおおおおおおお!!!
「陰陽のバランスっておっしゃってたけど、要するに気が整うのですって」
「じゃあヨガかしら?」
「結構激しい全身運動だっておっしゃってたけど。いったい何かしら」
もうぎりぎりじゃん。やめてー。ヒントのキーワード「ベッド」に行き当たったらばれるがな!
変な汗が出てきた。
顔を引きつらせながら、お手洗い行ってきます、とトイレに逃げ込んだ。
そう。
週末は「陰陽の気を整えるため」に親密な運動を社長と行っている。
綿密なお相手は私。距離をとろうって固く決心したのにこの体たらく。
地縛霊との時は仕方がない補給行為だったはずなのに、あれから大きな浄化はないのに、なぜか週末は社長のベッドで過ごしている。
なぜだ。
断ってるはずなのに、気が付いたらベッドに転がされているという不思議。
いや不思議じゃなくて単に私の意志が弱いっていうか、丸め込むのが上手いんだよ社長…!
これは所謂、セフレというやつなんだろうか。
あ、でもフレンドじゃないよな。セックス従業員?…うわーなんか落ち込む名称だわ。
トイレから戻ると、雪乃さんから社長が呼んでいると言われた。
「まどかちゃん。最近、社長によく呼ばれてるわね」
優しい口調だけど、どこか探るような視線にぎくりとする。
「そ、そうですか?お遣いが意外にあるからですかね」
「お遣い…それだけかしら?」
雪乃さんが小さく笑いながら髪を掻き揚げると、甘い香りが鼻腔をくすぐった。
花のような甘い香り。なぜか背中がぞくりとした。
親密な週末を過ごしたせいか、遠慮がなくなってしまったのか、やたら接触を図ってくる。
浄化作業の後、前はスイーツや食事の臨時手当だったのが、それプラス、社長室でキスや非常階段でハグになった。
「社長!」
「補給補給」
全然、悪びれていない。
それどころか上機嫌で困る。
「社長、最近、笑うようになったわよね。笑顔すてき~」
「笑うと、ちょっと少年みたいじゃない?可愛い!」
仕事にはクールで容赦がないと言われている社長の笑顔はレアだったらしく、そのギャップに萌える女子社員が続出。
ちょっと近寄りがたい雰囲気が和らいでますます人気が上がっている。
「社長、お元気そうで良かったわ。最近、体調がいいっておっしゃって」
社長室にお茶を出しに行った秘書室の美人先輩・雪乃さんが同僚の秘書さんと話していた。
「最近始めた運動がとてもいいのですって。つい夢中になってやりすぎるから怒られるんだっておっしゃってたわ」
「へえ。何のスポーツですか?」
「それが秘密だって言って教えてくださらないのよ。ワンツーマンで綿密にするんですって」
「もしかしてCMで話題の例のジムですか?」
「私もそう思ったのだけど、違うんですって。まどかちゃんは何だと思う?」
ぎく。その話題には触れたくないので話かけないで欲しい…。
「さ、さあ?」
社長おおおおおおおおおおおお!!!
「陰陽のバランスっておっしゃってたけど、要するに気が整うのですって」
「じゃあヨガかしら?」
「結構激しい全身運動だっておっしゃってたけど。いったい何かしら」
もうぎりぎりじゃん。やめてー。ヒントのキーワード「ベッド」に行き当たったらばれるがな!
変な汗が出てきた。
顔を引きつらせながら、お手洗い行ってきます、とトイレに逃げ込んだ。
そう。
週末は「陰陽の気を整えるため」に親密な運動を社長と行っている。
綿密なお相手は私。距離をとろうって固く決心したのにこの体たらく。
地縛霊との時は仕方がない補給行為だったはずなのに、あれから大きな浄化はないのに、なぜか週末は社長のベッドで過ごしている。
なぜだ。
断ってるはずなのに、気が付いたらベッドに転がされているという不思議。
いや不思議じゃなくて単に私の意志が弱いっていうか、丸め込むのが上手いんだよ社長…!
これは所謂、セフレというやつなんだろうか。
あ、でもフレンドじゃないよな。セックス従業員?…うわーなんか落ち込む名称だわ。
トイレから戻ると、雪乃さんから社長が呼んでいると言われた。
「まどかちゃん。最近、社長によく呼ばれてるわね」
優しい口調だけど、どこか探るような視線にぎくりとする。
「そ、そうですか?お遣いが意外にあるからですかね」
「お遣い…それだけかしら?」
雪乃さんが小さく笑いながら髪を掻き揚げると、甘い香りが鼻腔をくすぐった。
花のような甘い香り。なぜか背中がぞくりとした。