bajo la luz de la luna
アロンソ氏の声で、彼に肩をポンと叩かれたアンヘラがアタシ達の前へ進み出る。黒づくめばかりが揃った部屋の中で、彼女の白くて丈の短いヒラヒラしたドレスと、アタシが着ているスカーレットのスリット入りロングドレスだけがやけに鮮やかだ。
綺麗に巻いた黒髪を高い位置でまとめ、コーラルピンクの百合の造花で頭を飾っている彼女。瞬きをする度、束になった睫毛が羽ばたいて、パチパチと音がしているようにさえ感じる。赤が好きな時点で人のことは言えないけれど、彼女は派手だ。
『私がアンヘラよ。あなた達が今晩警備をしてくれるマフィアさん?何だか頼りなさそうだけど大丈夫なの?』
プチン、という音が聞こえた。が、それはアタシを始めとした、“ウチの黒豹”の気性の荒さをよく知っている人だけに聞こえる音だった。この女豹はどうしたことか、我慢という二文字を知らないのだ。
マズイ……そう思ったのも束の間、彼女はやはり、生意気な口を利く歌姫に飛びかかろうとする。怯えるルイ君を群がなだめる中、ガルシアとグレイが黒豹の両腕を取り押さえた。
綺麗に巻いた黒髪を高い位置でまとめ、コーラルピンクの百合の造花で頭を飾っている彼女。瞬きをする度、束になった睫毛が羽ばたいて、パチパチと音がしているようにさえ感じる。赤が好きな時点で人のことは言えないけれど、彼女は派手だ。
『私がアンヘラよ。あなた達が今晩警備をしてくれるマフィアさん?何だか頼りなさそうだけど大丈夫なの?』
プチン、という音が聞こえた。が、それはアタシを始めとした、“ウチの黒豹”の気性の荒さをよく知っている人だけに聞こえる音だった。この女豹はどうしたことか、我慢という二文字を知らないのだ。
マズイ……そう思ったのも束の間、彼女はやはり、生意気な口を利く歌姫に飛びかかろうとする。怯えるルイ君を群がなだめる中、ガルシアとグレイが黒豹の両腕を取り押さえた。