bajo la luz de la luna
『今度出すCDなら買ってあげても良いわよ。』

『本当ですか!?あの、私頑張ります!!』



 アンヘラは嬉しそうに笑った後、ハッとした顔で何処かを見つめる。その視線の向こうには、呆れ顔で腕組みをしたソニアが居た。



『あのっ、さっきはすみませんでした!!お姉さんが凄く綺麗なので嫉妬したと言いますか……その、本当にごめんなさい!!』



 駆け寄ってきて今にも塩水が吹き出しそうな瞳をするアンヘラに、ソニアはたった二言『もう良いわよ。あんたが良い子なのはよーく分かったから』と告げた。その言葉で、歌姫の涙腺は崩壊してしまった。



『お姉さぁーん!!』

『うわっ、ちょっと抱きつかないでよ!ドレスが濡れるじゃない!!』

『良いじゃねぇかソニア。男からすれば羨ましい光景だぞ!』

『そんなに言うならグレイが代われば!?あぁもう、黒だから染みが目立つじゃないの!あんたのドレスは白くて良いわよねぇ……』



 皮肉めいた口調でありながら、ソニアの片手はアンヘラの背中をさすってやっている。ソニアらしいな、と思った。彼女が年下の女の子を可愛がってくれることを、アタシはよく知っているから。
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