bajo la luz de la luna
『アンタ達。その大量の袋、こっちに渡してくれない?』



 自分達に向けられている拳銃が見えないのか、奴らは妙に落ち着いている。暗闇に黒い銃が不気味に光っている筈なのだけど……まぁ良いわ。脅しになってもならなくても、“撃つ”ことは決してないのだから。



『何だぁ?テメェらは。おいおい、綺麗な姉ちゃんが三人も居るぞ、三人も!』

『おぉ、ほんとだ。余計なもんが二人居るが、お前ら警察かぁ?夜中にご苦労なこった。』

『姉ちゃん達、オレらと遊ばねぇかー?』



 パトリシアが『気色悪いわね……』と呟いた程に、奴らの目はイってしまっていた。これはきっと、逮捕か病院送りかで警察を悩ませることになるだろう。



『悪いけど、アタシ達警察じゃないのよね。こういう取引してるくらいだから、ローサの名前くらい聞いたことはあるでしょ?』

『ローサだぁ?あのマフィアのか?』

『大当たり。という訳で、アタシ達はアンタ達の取引をぶっ潰しに来たの。ついでに言うと、警察にアンタ達の身柄を引き渡す予定だから。よろしく。』



 夜に紛れて微笑えば、奴らの顔が怒りで歪む。さっきの笑顔は何処へやら、突然こちらに飛びかかってきた。
< 127 / 268 >

この作品をシェア

pagetop