bajo la luz de la luna
『……分かった、分かったよ!じゃあちょっと外に出ようか!』

『実は俺達も君と話してみたかったんだ!』



 ほら、ね。チョロイもんだわ。ていうか、何が“分かった”んだろう。こっちは全く持って何も分からない。そうか、いわゆる“馬鹿”というやつか。部下達の席に密かに目をやると、ソニアとグレイは爆笑中、ガルシアは頭を押さえて何やら呟いている。どうやら全て見られていたらしい。

 小さく手を振ってやれば、小舅秘書から鋭い睨みを一発食らった。あんなもの、怖くも何ともないけど。“大丈夫だから心配しないで”と目で訴えれば、ガルシアは渋々納得してくれたのか、手でシッシッと追い払う仕草を取った。腹立たしいけど、あれが彼なりの許可表現なのだ。

 単純男二人に笑顔を向けたまま、三人揃って店の外に出る。ガルシア達には“何かあったら携帯で連絡する”と目で合図したから、万が一何かあっても大丈夫だ。

 ――まぁ、こんな雑魚二人にアタシが手を焼く訳ないだろうけどね。これからどうしてやろうかと思案していると、男達は興味津々でアタシに話しかけてきた。
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