bajo la luz de la luna
そう伝えると、ほんの少しだけど安堵した表情になってくれたエンゾさん。彼はニコリと笑い、アタシに語ってくれる。
『ありがとうございます、お嬢さん。チェーロは代々“冷酷と温厚の表裏一体”と言われてきましたから、群にもその片鱗があると思います。
ですが、どんな彼も受け入れてあげて下さい。あなたに拒絶されたら彼は……』
『そのお願いは必要ないわ。“あばたもえくぼ”は嫌いだけど、“包み込んでやる”ことは大切だと思うの。群の婚約者になった日から、決意は出来ているわ。』
ぐっすりと眠っている一人を除き、アタシの言葉で機内に居る全員が押し黙る。群の奥底に潜む闇は、何処までも彼を哀色に染め続けるのかもしれない。だけど、アタシの存在で彼の心に光が射すのなら、ずっと側に居たいし、側に居て欲しい。アタシの強さも弱さも受け入れてくれるのは、彼しか居ないのだから。
『……あなたのお心に感謝します。何度も言うようですが、ボスをよろしくお願いしますね。』
『ええ、こちらこそ。』
群の呼び方をボスに戻したエンゾさん。群が起きる気配を感じたからだろうか。間もなくして、愛しい棕櫚の目がゆっくりと見開かれた。
『ありがとうございます、お嬢さん。チェーロは代々“冷酷と温厚の表裏一体”と言われてきましたから、群にもその片鱗があると思います。
ですが、どんな彼も受け入れてあげて下さい。あなたに拒絶されたら彼は……』
『そのお願いは必要ないわ。“あばたもえくぼ”は嫌いだけど、“包み込んでやる”ことは大切だと思うの。群の婚約者になった日から、決意は出来ているわ。』
ぐっすりと眠っている一人を除き、アタシの言葉で機内に居る全員が押し黙る。群の奥底に潜む闇は、何処までも彼を哀色に染め続けるのかもしれない。だけど、アタシの存在で彼の心に光が射すのなら、ずっと側に居たいし、側に居て欲しい。アタシの強さも弱さも受け入れてくれるのは、彼しか居ないのだから。
『……あなたのお心に感謝します。何度も言うようですが、ボスをよろしくお願いしますね。』
『ええ、こちらこそ。』
群の呼び方をボスに戻したエンゾさん。群が起きる気配を感じたからだろうか。間もなくして、愛しい棕櫚の目がゆっくりと見開かれた。