bajo la luz de la luna
 ――キューンという音の直後、ガラスが派手な悲鳴を上げて割れる。男達はまだ状況が掴めていないらしく、間抜けなポカンとした顔で何処かを見つめている。暫くして、やっとアタシが自分達に向けている物を見てブルブル震え出した。“それ”を差している指先は小刻みに揺れ、頑丈そうな奥歯はガチガチと音を立てている。



『お前っ……そ、それっ!』

『ええ、本物よ。それがどうかした?』



 ニコリと笑みを向けてやれば、奴らは益々震え上がる。サドな人の気持ちがちょっとだけ分かった瞬間。今ここに群が居たら、人の表情を見て「お前ヤラシイこと考えてんじゃねぇぞ」と言うことだろう。



『心臓狙っても良かったんだけど。アンタ達、この前女の子をレイプしかけてた二人組よね?一ヶ月くらい前だったと思うけど。その件はあり得ないし、今日はアンタ達のせいで機嫌が悪くなったの。もしかして始末して欲しいのかしら?』



 一人の頭にチャキッと銃口を向ければ、もう一人の男でさえ硬直する。相手に恐怖を与えるように訓練されたアタシの目を見て、奴らはただただ震えている。さっきまでの“犯してやろう”なんて微笑は、もう何処にもなかった。
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