bajo la luz de la luna
『邪魔をするな。そんなに言うなら場所を変えれば良いだろう。』



 刺々しさを秘めた、フランシスコの言葉。それ程までにアタシが、ローサが憎いのだろう。それなら尚更、“今ここで”はやめて欲しい。



『……とりあえず、外に出ましょう。アンタも知っている筈だけど、ウチは争い事を好かないの。』

『挑発に乗って簡単に銃を握った奴がよく言えたもんだな。お前、本当は気が短いだろう?“冷静沈着”とは弱小ファミリーの勘違いだった訳か!』

『煩いわね……どうしても我慢出来ないこともあるのよ。例えば、アンタの存在とかね。同じ空気を吸っていると思うだけで苛々するわ。』



 ピシリ、と音がした気さえした。氷が固まるように、その場の雰囲気が一気に凝固したのだ。群は“本当にお前って奴は”と言いたげな顔をし、アタシの腕を無理矢理引っ張って外へ連行する。彼は背中に剣を背負って振り返りながら、その瞳をソルの奴らに向けた。



『お前らも、もう帰れ。さっきの発砲で住民が不安になってる筈だし……こいつに本気を出させたくなかったら、余計な挑発はやめるんだな。その時は俺も黙ってねぇぞ。』
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