bajo la luz de la luna
『群さん!何であんたがここに居るんだ!?』

『ハハハ……チェーロの情報網をナメてもらっちゃ困るな……未来の考えには察しがついてたぜ……万が一のためにあいつらも呼んであるから、心配するな……』



 彼が言った“あいつら”は、すぐに分かった。聞こえてきた大人数の足音に目をやれば、若きクレオのボスと、貫禄あるシュヴァルベのボス。その後ろからは、彼らの部下がワラワラとやってくる。



『群!お前はまた無茶しやがって!!さっさと傷を出せ傷を!!』

『群さん!どうして剣を抜かなかったんですか!?』



 厳しい表情で怒鳴るルッツさんに、涙目で叫ぶルイ君。アタシが彼らのように感情を出すためには、まだ脳が追い付かないらしい。納得出来ないことが多すぎるからだ。



『剣を抜く暇もなかったんだよ……コンマ一秒でも遅れてたら、未来に当たってたからな……』

『だからって!こんなの無茶すぎます!!』

『ルイもみんなも安心しろ……急所は外してある……』



 苦々しく笑った群が、再びこちらを見やる。ルッツさんの部下達に傷を見てもらいながらも、棕櫚の目はしっかりとアタシを捉えていた。
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