bajo la luz de la luna
 ――スリーカウント。西部劇でよく見かける決着方法で、背を向けた状態で数メートル離れて立ち、カウントに合わせて反対方向へ三歩ずつ進む。そして、振り向いた瞬間に一撃を放つというものだ。

 その方法でピンときたのだろう。フランシスコはピクリと眉を動かした後、不敵に笑った。



『射撃の腕は悪くないと聞いたが、大した自信だな。まるで“自分は負けない”とでも言いたげな決着の付け方だ。』

『当然よ。アンタに勝ってソルを滅亡させるわ。』



 猿と犬、もしくはコブラとマングースの睨み合いだろう。部下達は剥製のように一言も発さず、戦いを見守っている。フランシスコは、またもや気持ちの悪い笑みを浮かべ始めた。いい加減、癪に障ってくる。



『面白いことを言うなぁ?お前の方は、勝っても負けても滅亡するしかないだろうに。感情が先走ったのが運の尽きだったな。お前の愚かな判断が、ローサの終焉を早める結果に……』

『煩い男は嫌われるわよ。そんなこと、とっくに気付いてる。さっさと決着を付けましょう。』



 一気にまくし立ててやると、奴は酷く機嫌を損ねたらしい。銃を抜いて安全装置を外し、すぐに了解の視線をよこした。
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