bajo la luz de la luna
 学年が上がるにつれて、それぞれのファミリーからボスになるための期待がかけられ、二人は段々と疎遠になっていった。校内で“ローサとソルの息子が馴れ合っている”という噂も立ち、親達の監視の目も厳しくなったのだ。その頃から二人は、“自分達がボスになったら同盟を組もう”と誓い合うようになったのだという。共にスペインのこれからを担う存在になるために。

 ボスに就任してからはお互い忙しくなり、会うことは愚か連絡すら取れない状態が続いた。しかし、誓いの心は決して薄れなかった。大きな会合を開くことになった時、皆の前で宣言する。そう心に決めていたようだ。



『同じ会合に参加する機会が全くなくてな。私達がもたもたしている内に、二つのファミリーは更に反発し始めた。他のファミリーも巻き込んだ血生臭い抗争が何度もあったのだよ。お前達が付けようとしていた決着が、赤子の喧嘩だと思えるくらいのな。』



 以前フランシスコが二人の親友関係をほのめかしていたことがあったが、この話を聞くまで信じられなかった。自分と同じ色をした父の目を見つめながら、知らなかったことが次々と明らかになっていくのは、何だか不思議だった。
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