bajo la luz de la luna
フランシスコは、父をまじまじと見つめている。『そこまで分かっていたなら、何故止めてくれなかったんだ?』と口にしたのだが、目を伏せて言い直す。
『……表向きは敵対していることになっていたんだったな。手も出せなかったという訳か。
まぁ良い。お前達は知らないかもしれないが、誰かが父の仇(かたき)を取ってくれたらしくてな。事件の首謀者はすぐに殺されたんだ。正体は未だに不明だが、僕達はその人に感謝している。』
心なしか、意地の悪い顔付きが和らいだようなフランシスコ。自分の父親とアタシの父親が本当に親友同士だったことが分かったからか、若干の理解を示し始めたようだ。見下すような口調は、まだいけ好かないが。
すると、父の表情がうっすらと曇っていく。口では言っていたとしても表情には絶対に現れることのなかった彼の動揺を、初めて目の当たりにした。
『……お前にとって癒しになったなら、良かったのかもしれないな。実は、私がボスの座を退いた理由の一つもそこにあるのだよ。』
――思わず、目を見開いた。何を言っても口を割らなかったのに、父は今ここで語ろうとしている。唾を飲み込んだ音が、やけに大きく聞こえた。
『……表向きは敵対していることになっていたんだったな。手も出せなかったという訳か。
まぁ良い。お前達は知らないかもしれないが、誰かが父の仇(かたき)を取ってくれたらしくてな。事件の首謀者はすぐに殺されたんだ。正体は未だに不明だが、僕達はその人に感謝している。』
心なしか、意地の悪い顔付きが和らいだようなフランシスコ。自分の父親とアタシの父親が本当に親友同士だったことが分かったからか、若干の理解を示し始めたようだ。見下すような口調は、まだいけ好かないが。
すると、父の表情がうっすらと曇っていく。口では言っていたとしても表情には絶対に現れることのなかった彼の動揺を、初めて目の当たりにした。
『……お前にとって癒しになったなら、良かったのかもしれないな。実は、私がボスの座を退いた理由の一つもそこにあるのだよ。』
――思わず、目を見開いた。何を言っても口を割らなかったのに、父は今ここで語ろうとしている。唾を飲み込んだ音が、やけに大きく聞こえた。