bajo la luz de la luna
『……パパ……』

『未来もみんなも、今まで黙っていてすまなかった。私は、“ローサのボスとしてやってはいけないこと”をしてしまったのだよ。ボスのお前なら、分かるだろう?』



 同じ色をした瞳に問われ、深く頷く。アタシが一番最初に教えられたこと、“決して撃つな”。それを父は、破ってしまったというのか。



『……フリアンの仇を討ったのは、私だ。ボスとしての立場は関係なかった。親友を殺されたのが、どうしても許せなくてな。犯人を突き止めて、この手で殺めてしまった。
あいつが聞いたら怒るだろうな。私も自分の過ちに気付いて、すぐにボスを辞めようとしたのだよ。だが、そうすればローサは滅する。跡継ぎとなる娘はまだまだ小さかったから、私はファミリーの掟に背いてボスを続けることになったのだよ。』



 ――だから、だったのか。だから父は、アタシが18になるまで待っていたのか。そう思いながら、残ったもう一つの疑問を投げかける。



『パパ。他の理由は何なの?』

『あぁ。それは今から話そう。』



 父がそう呟いた時、アタシの頭にふわりと乗る、彼の手。その視線をアタシやファミリーのみんな、群にやり、父は続けた。
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